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胆膵グループ

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胆道疾患・膵疾患

 平成26年度の胆膵内視鏡検査件数は内視鏡的逆行性胆管膵管造影(以下ERCP)256件、超音波内視鏡(以下EUS)およびEUS関連手技418件と、山陰地方でも随一の検査件数を誇っております。その理由としては、県内外を問わず、他施設にて診断・治療困難症例を多数請け負っていることが挙げられます。
 当院では、切除可能な膵がん・胆道がんを確実に診断することに精力的に取り組んでおります。具体的には、超音波内視鏡下生検(以下EUS-FNA)と膵液細胞診を併用することにより、その正診率を95.9%、胆道癌においては、各種モダリティを併用することで正診率88.4%と、世界トップレベルにまで精度を高めております。
 また、ERCP関連手技に関しては、胆管・膵管挿管成功率は98.3%と、エキスパートの基準とされる90%以上を保っており、その技術を元に内視鏡的除石術(総胆管結石・膵石)、内視鏡的膵胆道ドレナージ(胆嚢を含む)、内視鏡的十二指腸乳頭切除術、を実施し、EUS関連手技に関しては、EUS-FNAはもちろんのこと、EUSガイド下嚢胞ドレナージ(EUS-CD)・内視鏡的ネクロセクトミー、超音波内視鏡下瘻孔形成術による閉塞性黄疸治療(EUS-BD)、腹腔神経叢融解術(EUS-CPN)等も実施するなど、胆膵内視鏡関連の全ての手技を患者さんに還元でき、他病院にて実施困難であった症例のほぼ全ての内視鏡処置を完遂しています。また胆道癌・膵癌のみならず、食道癌・胃癌等による悪性腫瘍に伴う消化管狭窄に対しても内視鏡的消化管ステント留置術を実施しております。
 また化学療法に関しても、実地医療においては、都会の高次機能病院と比較しても遜色ない医療レベルを保ちつつ、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)肝胆膵グループ等の臨床試験に参加するなど、患者さんにより良い医療が提供できるように日々検討しております。
 また、自施設のみならず、山陰の周辺施設の医療レベル向上に貢献すべく、医師(市中病院・開業医先生)、検査技師さん、看護師さんに向けた勉強会も実施しており、2016年度は20回以上の勉強会を山陰各地で開催予定としております。
 さらに膵がんに関する不安を感じられる市民の皆様のご意見を反映し、新聞・テレビ等のメディアにもご協力を頂きながら膵がんにかからないコツ、早く見つけてもらうコツをお知らせしています。

長径40mm大の乳頭部腫瘍を一括切除


被包化膵壊死に対する超音波内視鏡下膵嚢胞ドレナージ・内視鏡的ネクロセクトミー

超音波内視鏡下瘻孔形成術による閉塞性黄疸治療

標的検体確認照明器(TSCI)
標的検体確認照明器(TSCI)

以下に鳥取大学胆膵グループの特色をご説明します。

(1)サンプル中の標的検体検索を容易にする標的検体確認照明器(Target sample check illuminator: TSCI)を用いたEUS-FNA診療

 超音波内視鏡下生検の際にサンプル中に検体が採取されているか否かを病理医・細胞検査士による迅速細胞診を実施せずに判断することは困難なことが多いです。しかし、同時に病理部の人手不足により迅速細胞診が導入できない施設が大半を占めています。我々はこの問題を解決するデバイスを開発し、その臨床的有用性を確認しました。2015年2月企業と業務提携し上市し、各御施設より好評をいただいています。

画像では同定できない0.2mmの膵臓癌の発見に成功
画像では同定できない0.2mmの膵臓癌の発見に成功

(2)合成セクレチン製剤を用いた膵液細胞診による膵癌診断

 膵液細胞診は既報によるとその正診率は50%前後と良好ではありません。我々は、EUS-FNAでは診断できない膵癌に対して合成セクレチン製剤を用いた膵液細胞診により、その正診率を88.8%にまで高めることに成功しました(Matsumoto K et al.JGH2014)。既存の画像検査では同定できない0.2mmのとても小さな膵がんを発見することにも成功しています。

(3)体外式腹部超音波検査による胆・膵領域描出の工夫

 体外式腹部超音波検査は膵癌スクリーニング検査項目に上げられ、その簡便性が評価されているものの、有用性に関しては、CT・MRI・超音波内視鏡に比較して乏しい現状があります。我々はMRIを撮像した健常人に対しRealtime Virtual Sonographyを実施することで、体外式腹部超音波検査でも胆道・膵臓全体の90%程度を描出できる手技を同定し、実践しています。


(4)山陰地方における膵・胆道癌診療実態調査

 膵癌診療において、治療方針決定目的に病理学的エビデンスを取得することが重要となっていますが、全国的にみてもエビデンスを取得せず治療方針を決定していることが少なからずあります。我々は、鳥取大学消化器内科関連病院の膵癌診療の実態を調査し、関連病院全体でその結果を把握することで、診療形態の均てん化に繋げています。

(文責:松本和也)




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