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山陰地区初:逆流性食道炎に対する「逆流防止のための内視鏡的粘膜焼灼術(ARMA)」を実施しました。

難治性逆流性食道炎患者に対して、新しい内視鏡治療である内視鏡的粘膜焼灼術(Anti-reflux mucosal ablation,ARMA)を実施しました。難治性逆流性食道炎患者に対してのARMA治療を実施している施設はまだ少なく、当院が山陰地区初となります。
逆流性食道炎は通常、内服治療(胃酸を抑える制酸薬=プロトンポンプ阻害薬など)で改善しますが、それでも症状が改善しない患者さんが一定数存在します。そのような難治性の場合、従来なら外科手術しか方法がありませんでしたが、ARMAは内視鏡治療によって症状改善が期待でき、内服治療と外科手術の間を埋める可能性がある治療法です。

ARMAは近年昭和大学江東豊洲病院の井上晴洋先生が開発した治療法です(対象疾患|GERD | 【公式】昭和大学 江東豊洲病院 消化器センター (showa-u-kt-ddc.com))。内視鏡を用いて胃の粘膜を焼灼して傷をつくり、その傷が治る過程で逆流防止が期待されます。治療は内視鏡室で行うことができ、処置時間も40分程度で手術後は4日ほどで退院可能です。
現在当院はARMAの臨床研究を実施しており、7月7日に山陰初となる1例目を実施。下の写真のとおり効果が出ており、経過も良好です。

 

難治性逆流性食道炎でお困りの患者さんがおられましたら、まずはかかりつけの先生とご相談いただき、当院への紹介をご検討頂けましたら幸いです。

*なお、難治性逆流性食道炎でもARMAの適応とならない方もおられます。ARMAの治療効果がきちんと得られるかどうか、まずは当院で精密検査を行わさせていただきます。

*明らかな適応外となる方は大きな食道裂孔ヘルニア(胃の一部が胸腔内へ入り込む状態のこと、ゆるみが大きい方)を伴っている方です。この場合は外科治療が望まれます。