KIDNEY

個々の症例に対し
最適なチーム医療を。

腎臓グループでは、急性・慢性腎不全、高血圧、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、膠原病による腎障害、遺伝性腎疾患、水電解質異常など腎臓疾患全般の診療を行っております。賢蔵グループでは、新たな国民病とも言われている慢性腎臓病(CKD)における臨床研究などを行い、事前の肝障害予測など、早期治療に役立つ研究を行っています。

1.

CKD患者を対象に超音波検査による新しい組織硬度測定や腎実質の萎縮度評価により腎機能、腎予後との関係を検討しています。CKD患者を対象に超音波検査で腎皮質/髄質比を測定し、その経時的変化と腎不全の進行について検討しています。Virtual touch quantificationという技術を用いて、腹部超音波下に腎高度測定を行い、非侵襲的な線維化の評価により早朝の腎障害を予測できる可能性が示唆されました。

当科では、腎臓領域でのあたらしいイメージング法開発に取り組んでいます。腎生検組織に蛍光プローブを用いて緑色やオレンジ色に発光させ迅速評価を可能とする手法を見いだしました。

透析患者における感染症や心血管疾患などの合併症について、診断や治療にいて様々な視点から検討しています。また急性腎障害に伴う透析の離脱についての予後予測や、透析患者の高齢化により問題となっているサルコペニアの診断などについても検討を行っています。

2.

  1. 長寿遺伝子SIRT1は腎メサンギウム細胞における酸化ストレスならびにTGFβによるアポトーシスを制御しうることが報告され、腎不全の進展にも関与しています。アンジオテンシンⅡはSIRTの発現を減弱することが報告されており、慢性腎不全モデルラットを用いて、ARBのSIRT1を介した腎保護効果が明らかをしました。
  2. ヘンレ係蹄上行脚と遠位尿細管のネフロンで産生されるuromodulinに着目しています。細胞接着やシグナル伝達を調節や尿路結石の予防効果が知られていますが、新たな分子生理学的作用を解析します。

肝臓への脂肪沈着はNASHという病態として広く知られています。腎臓においても、尿細管への脂肪沈着は腎障害を起こしますが、その詳細については不明です。動物モデルを用いて、尿細管への脂肪沈着に随伴する腎障害のメカニズムについて小胞体ストレスに着目して研究を進めています。